『青空』に歌詞が異なるバージョンがあることを最近知った。
ほんの一部の変化で、ずいぶん違った印象を与えるものなんだな。
やすっぽい神様たちが 君をめくらにするだろう
眩しいほど 青い空の真下で
僕と誰かで進行する原曲が抽象的に首を締め付けてくるのに対し、「君」が登場する青空は俯瞰を許さずより直接的に切りつけてくる感じがして、少し眩暈がした。
でもこれを歌っているマーシーやブルーハーツだって多くの人にとっては神様みたいなもので、そう考えると結構、あるいは、やっぱり皮肉な感じもあって面白い。さらに言えば、今は彼らのようなレジェンドに限らずとも、フリーコンテンツの神様が大勢いるわけで、その全てに適切な距離感を保つだなんて到底無理な話だろう。
この曲自体は、個人の数だけ存在する価値観から生じる対立や人種差別のような、あまり軽々しく扱えないものをテーマとしていて、でもどうにもできない無力感と抵抗を歌い上げて、そりゃもう間違いのない名曲なのだけど、神様にあてられて盲目になること自体はそう悪いものでもないとも思えて、そもそも避けられるものでもなく、むしろ私は積極的にそうありたいと思う。