2020-08-15 ■ 少女終末旅行を読んだ。とても心地のいい読後感だった。 この美しさはどこにあるかと考えると、それはやはり本作が失っていく物語で、そして二人が失うことをごく自然に受け入れているからだと思う。 道中ですれ違うごく僅かな人々、託されたカメラ、長い旅を共にした半装軌車、健康、水、食料、ただひたすらに失っていく。 何かを得るために前に進むのではなく、全てを失いながらどこかを彷徨うという意思と選択こそが、生命活動の本質なのかなぁとか思ったりするのだ。