ここ最近はPythonプログラミングにハマっている。私はなにごとも形から入り、そして型が身に付く前に飽きて辞めていくという様式美を重視しているため、ならばプログラミングも同様にすべきという考えから、リーダブルコードという本を手に取った。
リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)
- 作者: Dustin Boswell,Trevor Foucher,須藤功平,角征典
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/06/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まだ3ページしか読んでいないが、既に十分に元を取ったと確信できる。これは素晴らしい一冊だ。
こういった書籍の序文というのは概ね予想ができて、可読性の低いコードがいかなる惨劇をもたらすものかをちょっとした実例を示して緊張感を煽り、そして構造的な考え方の重要性を語りかけ、誰に向けてのコードなのかを改めて考えてみようではないかと読者の道徳心や美意識に働きかける、という具合に締めくくるものだ。
果たして、予想は覆された。以下にページ1の訳者まえがきを引用したい。
訳者まえがき
タイトルが示す通り、本書のテーマは「読みやすいコード」である。「読みやすい」と聞いてすぐに思い浮かぶのは、島本和彦『アオイホノオ』(小学館)7巻に出てくるセリフだ(くしくも原書と同じ2011/11に発売されている)。
「面白いと、読みやすいは、違うんだよ?」
「読みやすい」コードを書くのに「面白い」ことをする必要はない。
(中略)
訳者が島本和彦、そして『アオイホノオ』を大好き過ぎることが、言葉でなく心で理解できる名文である。技術書のファーストセンテンスに他出版社のマンガの名言を持ってくる執筆業が一体どこにいるというのか、ノリと勢いで生きるにも程がある、大好きなので是非そのままのあなたでいてほしい。私も島本和彦を愛する人間の一人のため、「それはそれ、これはこれ」あたりは職場でも3日に1度は活用しているヘビーユーザーであるが、まだまだ浅瀬をパチャついていたに過ぎなかったようだ。
最初に3ページしか読んでいないと書いたが、つまりは序文しか読んでいないということである。しかし一冊の本で心に響く一節に出会えさえすれば、それは作者も読者も大勝利のWin-Winではないか。こんな奇跡の出会いがあるのだから、読書は辞められない。