good luck have fun.

140文字に収まらないことや、140文字に収まることを書きます

ディアブロ3という沼 後編

しかし全くおかしな話である。私はPC版を発売日に買って、それなりにはプレイ済みなのだ。ヘビーユーザーからすると鼻で笑われそうだが、それでも700~800時間程度はやっている。

 

ぬるい、ぬる過ぎる、ヌルゲーマーだ、それは認める。ここがディアブロ学園ならば、未就学児と言われても仕方がない。だが、一般的なゲーム基準で言うと、「入学式には出たけど翌日からバックれました」くらいにはなるはずだ。

 

それをなんでまた同じゲームを、同じキャラクター(馬場)で、飽きもせずにハムハムしているのか。これは単純に有用な装備がドロップするからだ、プレイするほどにキャラクターが強くなるからだ、脳が喜ぶからだ。

 

 

 

PC版リリース当初のエキサイティングな状況については各所に記録が残っているためあまり詳しくは触れないが、基本的には「装備を掘りに行くための装備が手に入らない」という問題に集約される。

 

高難易度でモンスターと戦うことができない(コバエが身体をかすっただけで死ぬ)ため、私のような弱小一般人は「そこらに設置されている壷を割り続ける」というのが最先端かつ最高にイケてるファーミングだったこともある。どれだけ強いモンスターを倒せるか、どこまで深く潜れるかではなく、いかに効率的に壷を割れるか、いわゆるTPM(Tsubo Per Minute)こそが力である世界、it's so cool...である。

 

「Act2のあそこは壷の密集率が高いしエリートモンスターも弱い」
「Act4に潜り込めば宝箱も開けることができるぞ」
「いや敵を避ける分だけ効率が落ちる」

 

というような激論を日夜交わしていたわけだ。こう書くとなんだか楽しそうに見えるが、実際割と楽しかった。

 

ユーザーが新たなファーミングを発見し、それをブリザードが即座に潰すというイタチごっこは大変スリルがあり、まさにリアルステルスアクションゲームと呼ぶに相応しい出色の出来栄えだったと言える。さらには、AH(オークションハウス)で掘り出し物を見つけ、出品されてから数秒内で誰よりも早く落札するミニゲームにも心躍らせたものだ。

 

 

そんなわけで、私は暗黒版にもそこまで悪い印象を持っているわけではないのだが、やはり複雑な感情も共存していたことは否定できない。

 

だが、許した。

 

全て許した。

 

こういうのでいいんだよ、こういうので。

 

やはり世界ナンバーワンゲームメーカー(個人の感想です)は常に信じるに足る存在である。 

 

もっとも、今は脳汁を垂れ流し続けている私も、やがては装備の更新が困難となり、再び距離を置く日が来るだろう。だが、どんなクスリも常用すれば徐々に効用は薄れていくと言う。ディアブロにだけ永遠を求めるのはフェアではない、いつか効かなくなるのは仕方がないことなのだ。

 

噴き出すアドレナリン、ドーパミン、そして飛び散るエンドルフィンに塗れながら悪魔の軍勢をビリオンダメージでなぎ倒す今日という日を、私は決して忘れない。