good luck have fun.

140文字に収まらないことや、140文字に収まることを書きます

長期休暇明けの労働は堪える。極限にぐったりして買い物に行く気力もなく宅配ピザを注文する。Mサイズのハーフ&ハーフ、コーンスープ、チキンナゲットSサイズ。15分もしないうちにインターフォンが鳴る。宅配員は大変遅くなって申し訳ありませんと言う。遅くもなければ申し訳の必要も感じない。保温容器から取り出す際にコーンスープの入ったケースが逆さまに落ちてぐしゃりと音がする。宅配員はひどく恐縮してすぐに交換すると言うが意味がわからずそのまま受け取る。内容物がはみ出たわけでもなく単に液体の上下が逆転しただけだ。何のために何を交換するのだろう。

ピザボックスをテーブルに置いてイマジナリーチェックリストを1項目消化する。玄関からリビングにピザを運ぶアディショナルワークを終えた疲労感でもう一歩も動けない。疲れすぎて物を口に運ぶ体力がない。パソコンのスピーカーからは中島みゆきの時代が流れている。スマートフォンの液晶パネルを濁った目で眺める。相も変わらず全く知る必要のない情報群を摂取してるうちに強い眠気を感じて闇に呑み込まれる。1時間ほどで目を覚ますと目の前には未だピザがいる。空腹は感じないが生命維持のために義務感に応えるためにもさもさと口にする。ピザは冷めてもそれなりに美味い。床に逆さまに落とし拾い上げて360を決めたコーンスープの底にはいつものようにつぶつぶコーンがべったりとへばり付いている。1080を決めていても変わらないだろう。コーンスープはいくら回っても何も変わらない。たとえ冷たい雨が降ったとしても。