good luck have fun.

140文字に収まらないことや、140文字に収まることを書きます

ウムランギ ジェネレーションの短い雑記

今年はめっきりゲームに手を付けられておらず非常に進捗が悪い中、こいつは以前から気になっていて評判も上々ということでプレイしてみた。

 

https://store.steampowered.com/app/1223500/

 

なのだが、本作は誰かが何かを語らなくともSteamストアに書かれている説明文が全てを表現してしまっているので正直言うことが特にない。

 

ウムランギジェネレーションは、破滅が迫るクソみたいな未来で写真を撮るゲームだ。

 

  • ウムランギジェネレーション(よくわからんサイケデリックかつサイバーなワード)
  • 破滅
  • クソ
  • 未来

一文の中に私が大好きな要素が4つも詰まっていて鼻血が出そうになる。このキャッチコピーを考えた奴は天才だ。

PVでは少々シャラくさいメッセージも出てくるが、

 

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もうそこは気にしない。目を瞑る。盲目のまま真っ赤に燃えるウムランギの海に流してしまおう。

 

ファーストインプレッション

写真ゲーとしてよくできているなぁ、と。

レンズだけでもノーマル、広角、望遠、魚眼、超広角と多種多様(ステージクリア、もしくはアンロックで増えていく)。様々なレンズで違った現実が撮れるのは純粋に楽しいし、自分のお気に入りのレンズも出てくる。広角でスナップ撮影するのは楽しい。

撮影後のレタッチ機能も豊富なので、とりあえずフレームに収めさえすれば明暗程度は後からなんとでもなるのも便利でよい。

 

ってなわけで触れ込み通りの写真ゲーだったのだけど、「写真はあくまで手段として扱われていないか?」とも感じた。 

 

セカンドインプレッション

本作はチュートリアルを除けば説明も台詞も一切なく、登場人物の名前すらわからない。それでも確かに物語があって、それはカメラマンであるプレイヤーの体験として描かれる。

 

小さなマップをうろつけばそこらかしこにラクガキがあって、それはPortalで有名なMEMEである「the cake is a lie.」のようだ。これら断片を繋ぎ合わせることで、我々はウムランギの世界を理解していく。

このような、普通にプレイするだけでは見過ごすような要素に自然と目を向けさせるためのカメラシステムなのだろう。上手いことを思いつくものだ。

 

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路面に散らばる新聞からも、なんかのっぴきならねぇ事態になってんだな、ということがわかる。

 

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※一応配慮しておこう 

 

サードインプレッション

クリアまでの5~6時間ほどで溜まった約300枚の写真を見返している内に、自身の穿った見方が見当はずれであったことに思い至る。開発者はウムランギの世界を体験させるためにカメラを組み込んだのではなく、ゲーム紹介文の通り、写真を撮らせるためにウムランギの世界を準備したのではないか。

というのも、自身の記録もさることながら、SNS上で他のプレイヤーが撮影した写真を見るのがめちゃくちゃ面白いのだ。

 

どの一枚も印象的で、それでいて生まれる感想が少しずつ違う。以下は全て私の心の独り言なわけだが、「わかる、ここは撮るよね。俺もほとんど同じ一枚撮ったわ」「ここは俺も当然知ってるけど、そういう撮り方が、あったのね?すげぇなあんた」「これは一見なんてことないシーンだけど、ん、あ、そういうこと??」と呻らされっぱなしであった。

 

「好みは人それぞれ」という無味無臭の常識が広く流通しているが、じゃあ具体的にそれってどういうことなの?ってのは、実は一言で説明できるほどにはブレークダウンできていなくて、それを一本のゲームでこんなにわかりやすく示されると目から落ちる鱗もある。

 

「人それぞれ」が文脈に登場する際は「そんなこと話しても溝は埋まらないんだから意味ねーだろ、そんなことより野球しようぜ」ってな具合に、対立と回避の導線であり、どこか投げやりなユースケースが多いように思う。でも、少し違う側面もあるようだ。

 

つまり、人それぞれってのは、すげぇ面白いことなんだってのを教えてくれる。

 

それが写真の力であり、ゲームの力なのだ、となんとなくいい感じのテンプレ一文に落とし込めたのでこれで締めておく。