good luck have fun.

140文字に収まらないことや、140文字に収まることを書きます

運んでいるか、荷物を

路を作るゲームだった。無機質な荒野に足跡を残し点を線で結び面を作ることは原始的な本能だった。電子の路面をモーターサイクルで疾走して極小の視界に飛び込む風を切る咆哮で脳を焼き歪んだキックに心拍が脈動すると空は青くても赤くても何の違いもないことが分かった。重力に引かれて中空に舞い上がる黒い粒は既知の不安と未知の期待を遠景に放射して喉の奥を圧迫し続けた。男は誰かでいくつかで総和でありふれてどこかの凡庸な傑物のいつかの伝説だった。人一人いない生と死の匂いがする海岸線に無数の石ころが積み上がり残る痕跡がやけに煩わしいが仕方がないことにも思えた。なかったことにはできない。