例えば、モンティ・ホール問題の理解を助ける方法の一つとして、扉の数を3から100に増やす例がある。スケールを拡大縮小することで物事が単純化され、本質を浮かび上がらせる。しかし、これを現実で行うのは非常に難しく、おまけに現れた本質に解答があるとも限らない。
知人からオススメされて視聴した。完全に食欲が失われる見事なグルメ番組であった。色々考えさせられる映像作品のため、その色々をメモしておく。
当たり前の不確かさ
個人の隣には異なる個人の当たり前が存在する。
物事の多面性
物事は立体的で複数の側面がある。
幸福の相対性
幸福は絶対評価ではなく相対評価で決まる。
環境の影響
環境が人を形成する。
間接的な紛争への参加
個人の活動はあらゆる問題に影響を与え、影響を受けている。
資源としての命の活用
命は一度きりの非再生資源でありその活用方法は個人に委ねられている。
いずれも理屈の上では「当たり前」なこと(と私は思っている)だが直感的には疑問の余地もある。本番組では極端な例を示すことで、極めて明快にシンプルな問いを突きつける。当たり前の再構築は世界観の再構築であり、視聴者自身の存在の確からしさに強い不安を与える。そして本番組もまた、放送できる範囲内での一例に過ぎない、とも言える。
メモ追記 8/24:
なんとかネスト型にできないものか。「割り切れない」というメッセージを内包する構造で書くのが美しい気がする。